●英語表現の基本は「スル」、「デアル」、「サセル」だけこのようにシンプルに英語言語表現の発想法を定義付けたのは、亀田尚己教授です（中略）。すべての英語表現の形式は、この3つの表現のいずれかに帰結するというわけです。「スル」の英語表現は、S does B. または S does.「デアル」の英語表現は、S is B.「サセル/シテモラウ」の英語表現は、S has B do C. または S has C done (by B).という構文です。この3種類の表現形式を知っていると、幹文を作成する際に、基本的な構文を思い浮かべるのに大変役に立つでしょう。

幹文＝文の幹、後で説明があります。S does B.： 動詞doの主語Sが三人称単数現在ということでdoesとなっています。

(1) 第1文型　
「S（主語）+Ｖ(動詞)」：「誰（何）が」+「〜する」
「スル」の英語表現は、S does

School begins in April. (学校は4月に始まる)→修飾語のin Aprilを取る 　　↓ S＋V　　School begins.　学校は始まる 「何が：school(学校は)」＋「どうスル：begins（始まる）」

例文は「スル＝S does.」のパターンで、does(do)はV(動詞)を表しており、ここではbeginです。この文では「in April(4月に)」がなくても、文としては成立します。しかしほとんどの場合、S+Vだけでは情報として不十分なために「in April(4月に)」などの情報が付属してきます。ここで次の文を読んで例文の「幹」と「枝葉」を考えましょう。これは日本語の文を作るときにも大切なことです。

●英語構文における修飾要素の分析　出典：ＩＬＣ　田原先生の課外レッスン2 文は木構造しています。英語に限らず一般に言語情報は木構造をしていますが、英語は日本語とくらべて木構造的特徴が際立っています。木構造とは、中核となる幹と周辺の枝葉から構成されます。文構造では、幹は幹文に相当し、文の中核情報を担います。枝葉は幹情報を詳しく説明する詳細情報となる修飾語句・節に相当します。

「School begins(学校は始まる)」が「幹」、「in April(4月に)」は葉になります。
　
(2) 第２文型
「S (主語)+ V(動詞)+C(補語)：「誰（何）が」+「Ｃである（になる）」
「デアル」の英語表現は、A is B

1. Tony is a university student. (トニーは大学生です) 2. She looks very happy. (彼女はとても楽しそうに見える) 3. My brother became a doctor. (私の兄は医者になった)

is(be), looks(look), became(become)がそれぞれ動詞です。この型ではＣ(補語)がないと文にならず意味も通じません。
　→ ×Tony is. トニーはです。×：間違い

1はa university student、3はa doctorがＣ(補語)でいずれも名詞、2はhappyがＣで形容詞になっていていずれも主語の状態を表す語です。そして動詞が「〜である、〜にみえる、〜になる」などの表現をしています。

2. She_______ looks_____________happy.　　(veryはなくても文は成り立つ) 「彼女は」_「ように見える」_「楽しい」

ここでのlookは「見る」ではなく「(周りからは)〜のように見える」という意味です。

　さて第１文型は日本語と語順が同じでしたが、例文で分かるように第２〜５文型は違ってきます。
まず次の文を読みましょう。出典：ＩＬＣ　田原先生の課外レッスン2

●日本語はCLOSED END､英語はOPEN END　このように単純な幹文に枝葉となる詳細情報を付け足すことによって豊かな情報を伝えることができますが、これらの修飾情報を付け足せば付け足すだけ文は複雑な構造になっていきます。また、日本語は修飾語句が修飾される被修飾語句の前に位置するのに対して、英語は被修飾語句の後にきて語順が対照的になっています。（中略）また、日本語の語順がSOV型であるため、動詞が文末にくることも目的語や補語を長く修飾することが難しいCLOSED構造になっています。この点、英語はSVO型であるため、文末にくる目的語や補語に修飾語句を付加しやすいOPEN構造になっています。

英語は、「誰が何する（どうだ）」といってからその様子を「だれに何をどういう風に」と述べていきますので、文がお尻で閉じていないOPENな構造です。ですから文のお尻にドンドンと続けていくことが出来ます。一方、日本語は「誰が、だれに何をどういう風に」といってから「何する」いうお尻で閉じるCLOSED構造なので、一旦、文を終えるとまた新しい文を始めなければなりません。もう一度例文2を見てみましょう。

2. She _ looks _ very happy. 　 彼女は_ に見える _とても楽しい。 　　↓　日本語順 彼女は_とても楽しそう_ に見える。

まず「She looks(彼女は＿見える)」と「主語と行為(動作→動詞)」をいってから「very happy(とても楽しそう)」と様子を述べています。これが英語の基本で第２〜第５文型もみなこの形です。そして長文になってもこの傾向は変わりません。

もう一度、第１文型の例文をみてみます。

School begins in April.　学校は4月に始まる。

ここでもまず、「学校は始まる」と「何がどうする」を述べてから「４月に」とその補足説明をしています。英語を読んで理解する場合、日本語の語順に直して理解しようとすると日本語に訳して並べ替えなければならず時間がかかりますが、英語の語順で理解していくと並べ替えない分だけ早くなります。「誰が何した、これに、こんな様子で、こんなというはこういうことで〜」というように英語の語順で理解することが早道です。

(3-5) 第３〜５文型
「S(主語)+V(動詞)+O/C(目的語/補語)」
「スル」の英語表現は、S does B.

3-1. I have two bicycles. (私は2台の自転車を持っている。) 3-2. He can play tennis very well. (彼はとてもじょうずにテニスをすることができる。)

4-1. She gave me a white flower. (彼女は私に白い花をくれた。) 4-2. My uncle told me an interesting story. (おじは私におもしろい話をしてくれた。)

5-1. The news made her sad. (その知らせは彼女を悲しませた。) 5-2. Everyone calls me Bert. (みんなは僕をバートと呼ぶ。)

S does BのB部分がO(目的語)やC(補語)になります。これは動詞が「何をする」または「誰(何)に、何(どう)をする」という意味になる行為を表す場合です。日本語に訳すと、「に」や「を」という助詞がややこしいですが、英語のままで捉えることが大切です。

例文の枝葉を取ってみましょう。

3-1. I have two bicycles. twoはなくても文は成立	I _ have _ bicycles. 私は_自転車を_持っている。O(目的語)はbicycles
3-2. He can play tennis very well. can, very well はなくても文は成立	He _ plays _ tennis. 彼は_テニスを_する。 O(目的語)はtennis

4-1,2も同じですが「誰(何)に」という二つ目のO(目的語)が入ります。tellやgiveは「誰に何を」という二つの目的語が必要な動詞です。

4-1. She gave me a white flower. 　彼女は_私に_白い花を_くれた。 4-2. My uncle _ told _ me _an interesting story. 私のおじは_ 私に _面白い話を_話した。

「『何を』話した」の「何」が主要な目的語です。「誰に」は後ろに持ってくることが出来ますが、前置詞toが必要になります。

4-2. My uncle _ told _ me _an interesting story. 　私のおじは_ 私に _面白い話を_話した。 　　↓ My uncle_told_ an interesting story_ to me. 私のおじは_面白い話を_　私に　_した。

戦後の進駐軍の時代のことは知りませんが、Give me chocolate.という言葉があったと聞きます。これも語順を変えると、Give chocolate to me.としなければなりません。

5-1、2.も同じ考えで捉えてかまわないと思うのですが、ただし文法的には後に来る語がC(補語)とされ名詞だけでなく形容詞も使われます。また目的語と補語の順序を入れ替えることが出来ません。

5-2. Everyone calls me Bert. 　みんなは_ 僕を_ バートと _呼ぶ。 　　＊Bertと meの入れ替えは不可。

以上の分類は文型で覚えるというよりは、それぞれの動詞の特性として動詞を覚えるときに一緒に調べて覚える必要がありますし、その方が良いと思います。

「サセル/シテモラウ」の英語表現は、S has B do C または S has C done (by B)

How do I make him love me? 　どうしたら彼を私のことを好きにさせられるかしら？

これは「使役動詞」とも呼ばれるもので、makeやhaveが使われます。文型として分類できるのか分かりませんが、5-1.の例文もこの一種と考えられます。